2010年10月26日火曜日

次回セミナー詳細決まる

ICS研究会11月定例セミナーのご案内
 
  ICS研究会のIはInformation(情報)、CはControl(制御)、SはSystem (システム)ですから、間口は広く、理系にも文系にも開かれた研究会です。

  今回のセミナーは、はからずも、文系出身の先生と理系出身の先生のそろい踏みとなりました。文系文化と理系文化の違いのようなものまで聞けるかな?と楽しみにしております。

  ところで(と、ここでやめると簡略すぎる前文になるので続けますが)高橋昌一郎『知性の限界』(講談社現代新書、2010)を読んで、理系陣営と文系陣営の間に1996年「サイエンス・ウォーズ」が勃発したことを知りました。ご存じでしたか?

  発端は、物理学者が数学と自然科学を徹底的にこきおろす論文を文系雑誌に発表したこと。え?理系陣営自ら降伏宣言したの?とびっくりさせられますが、ドッコイ、これは理系陣営の驚くべき企みでした。「あの論文は完全なパロディーであり、ポストモダニズム系学者のバカバカしい表現を引用・組合せたパッチワークにすぎない」と、論文が出た直後、著者自身が暴露したからです。

  賛否両論を総括するかたちで、著者ソーカルは改めて、ろくすっぽ理解もせずにトポロジーやら相対性理論を振りまわすラカンやイリガライらの「論文」を「知的詐欺」と断じて皮肉たっぷりにコメントしております。

  さて、今回のセミナーは《文系 vs 理系》と銘打ちました。むろん「サイエンス・ウォーズ」は意味しておりませんので、念のため。
                        代表幹事・相沢輝昭

   ***
日時:11月27日(土)午後14時~5時30分


会場:武蔵大学 研究棟1階0B会議室 http://www.musashi.ac.jp/


プログラム:『文系 vs 理系』

14:00-15:20 司会:岩崎 強(オリックス)

 貫 隆夫:人間とロボット──サービスロボットの産業論的、哲学的考察

 私は21世紀の主要工業製品は自動車からロボットへシフトすると考えます。

ロボットは産業用ロボットとしてはすでに普及していますが、オフィス、家庭

や病院などで使われるサービスロボットの実用化と普及はこれからです。サー

ビスロボットの機能レベルが上がると自動車そのものがサービスロボット化す

ると予測されます。ロボット産業はハードとソフト面ですそ野の広い21世紀の

基幹産業になる可能性が大きいのですが、他方で、例えば精巧なヒト型のサー

ビスロボットが自爆テロの道具に使用されるリスクなど、検討すべき課題が多

いのも事実です。臓器再生・移植が進み人間自身がロボット化する可能性も含

めて、議論のたたき台を準備する予定です。

 略歴:1940年鹿児島市生まれ。慶應義塾大学大学院商学研究科にて経営学を

学ぶ。武蔵大学(経済学部)、大東文化大学(環境創造学部)の教授を経て、

現在、帝京大学客員教授(エコ社会論担当)。

 ──コメンテーター:並木志乃(東京大学大学院 情報学環 交流研究員)

15:20-15:40 Tea Break

15:40-16:40 司会:佐藤 創(専修大学教授)

 渡辺 坦:バトルに継ぐバトル──COINSコンパイラ・インフラストラクチャの開発

 2000年度~2004年度にかけて、文部科学省の資金を得て、コンパイラの研

究・開発の発展のために、コンパイラを容易に作成可能とするCOINSコンパイ

ラ・インフラストラクチャを開発した。日本のコンパイラの第一人者である中

田育男教授をリーダーとして、約10人の専門家が力を結集した結果、3~6ヶ月

で新機種向けのコンパイラを開発可能にするなど、目標以上の成果を上げるこ

とができた。その後、さらにIPAの資金を得るなどして機能を拡充した。これ

は、世界に向けてソースプログラムを無償提供しており、COINS協会を設立し

て、その頒布と保守・改良を続けている。開発にあたっては、各人が自分の方

式に自信を持つ専門家の間での方式設定をめぐるバトル、事務方や役所とのバ

トルなど、多くの困難があったが、強力に支援してくれる人たちもいて、完成

させることができた。少ない資金による29万行のプログラム開発について報告

する。

 略歴:1962年京都大学理学部数学科卒業、日本IBM、日立製作所中央研究

所、同社システム開発研究所、電気通信大学情報工学科教授を経て、現在は晴

耕雨読の生活。東京大学工学博士。

 ──コメンテーター:湯野川恵美(株式会社ヒューマンシステム 代表取締役)



16:40-17:30 総合討論 司会:相沢輝昭(広島市立大学名誉教授)

・引き続き、江古田駅周辺で懇親会(会費3,000円前後実費)

・セミナー参加費は1,000円(学生500円)


参加くださる方は、次のいずれかを相沢輝昭 aizawa@chime.ocn.ne.jp あてに

ご返信ください。

・参加。懇親会にも出席。

・参加。懇親会には欠席。

締め切りは24日{水}。
                             以上

Sypojium 2010終了報告

ICSシンポジウム10/3報告
                                              代表幹事・相沢輝昭

  充実して楽しいシンポジウムでした。発表の皆さんには、それぞれの生き方を前向きに「美しく」ご披露くださり、本当にありがとうございました。ハッと気づかされることも多々ありました。

   参加者30余名、最後はICSならではの「学問酒場」で、レベルの高い歓談を楽しみました。そこには、不参加の古い会員から思いがけず届けられた自家栽培のブドウも並びました。

  次回会合は11月27日(土)午後、「文系 vs 理系」と銘打って、貫隆夫、渡辺坦両先生のセミナーを予定しております。ご案内は近々さしあげます。またお会いできますことを!

   以下にシンポジウム風景をいくつか。一樂さんも別にブログでたくさんの写真を公開されるのではないかと期待しています。









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以下、一樂信雄です。

当日に写真はブレているのも含めて以下のURLから

見られると思いますので、トライしてみてください。

http://30d.jp/manage/albums

http://30d.jp/ichiraku/2

写真を共有するのにはとても便利なWebだと思います。

いろいろ利用価値はあるかなと思います。